秘光奇地~A.Mitsuki's Life~

蒙昧なる駄文の数々をここに掲載しています。

<Essay>窃盗犯は暗闇のままに。では幽霊は?

<Essay>窃盗犯は暗闇のままに。では幽霊は?

May.07th.2024 / written by A.Mitsuki

慣れ親しんだ自宅に、見知らぬ誰かがいればそりゃあ驚く。

それはおそらく不法侵入者であり、窃盗や強盗目的の犯罪者であろう。

 

日中はさておき、夜中ふと目が覚めトイレに立つ。そして廊下を歩いていると、誰もいないはずの部屋でガサゴソと音がする。ドキッとして一気に目が覚めることだろう。そして恐怖心が身体中を駆け巡るはずだ。

なんとかしなければならない。

と、人は焦りと恐怖心のあまり、まず視界を確かなものにしようとしてしまう。暗闇が怖いという本能的なものもあるからだ。それを解消したいという防衛本能が働いてしまう。

しかしそれは間違いだ。

なぜならば自宅は自分にとってのホームグラウンドであり、視覚などなくても廊下の長さがどれくらいで、部屋の広さがどの程度で、どこに何があるのかがわかるのだ。一方、不本侵入者は視覚がなければそれが全くわからない。まさに地の利は自らにある状態なのだ。もしも相手が凶器を手にしていたとして、その優位性を発揮するには視覚がまず必要となるのである。よって電気を点ける行為は、相手にナイスパスをするようなものなのである。

怖いけれど、暗闇のままのほうがまだ安全なのだ。暗闇を利用し、安全を確保するにはどうすべきかを考えるのだ。がんばれっ!

 

いやそうではない。不法侵入者ではないこともあろう。

そう、幽霊である。

相手が幽霊であった場合はどうすべきかも、あらかじめ考えておく必要がある。

幽霊は視界を必要としない、とは断言できない。実際問題、幽霊って何だ、というのが解決していないからである。

しかしここは想像上のスタンダードなぬぼぅっとした幽霊を採用しておこう。

すると、やはりぬぼぅっとした幽霊は視界を必要としないっぽい。光の存在しないところにぬぼ~っと存在しているイメージだからだ。墓地、廃病院、柳の下など。

そのくせ遭遇すれば人間の目に見えるのだから、つまり幽霊は発光体ということなのだろう。なぁんだめちゃくちゃ明るい奴じゃないか。

ということはさておき、夜中にふと目が覚めてトイレに行こうとしたら、向こうの暗闇にぬぼぅ~っとしていたらそりゃあ驚く。

そして恐怖心のあまり電気をつけたくなるだろう。

しかし本当に電気をつけていいのか、今一度胸に手を当ててよく考えてほしい。

ぬぼぅっとした幽霊を目にできるなど奇跡以外の何ものでもない。発光という点で考えてもオーロラを目にするに等しいとは思えまいか。

オーロラが出た時にライトを煌々と点けられることを考えてほしい。興覚めしはしまいか。幽霊もまた然り。ライトを点灯してしまうとせっかくの発光が見えなくなってしまうのだ。もったいない。

よって幽霊がぬぼぅっとしていた場合の対処法は、不法侵入者のそれとは別物となる。

危ないし怖いからありったけの電気を点灯させたほうがいいと思いますっ!!